初めまして、カウンセラーのシラカワと申します。
私は過去にうつ病を発症し、自殺一歩手前まで苦しんだ経験があります。
しかし色々な方の手を借りてうつ病も寛解し、今は日々を元気に過ごしています。
私は小さな田舎町で長男として生まれました。
2つ下の弟も生まれ、時には喧嘩もしましたが、仲良く元気に過ごしていたのですが…
両親の離婚、母方の実家は祖父母が喧嘩ばかり。他人の顔色を窺うように
小学1年生の終わりごろ、突然両親が離婚しました。当時の私は何が何やらよくわからないまま母親に引き取られました。
そして、母と私と弟の3人で小さなアパートで暮らし始めました。
そこからの暮らしは、私の人格形成に多少なりとも影響を与えたように思います。
シャワーがなく、かけ湯で頭を洗う。狭い寝室で3人で川の字になって寝る。そんな状況でした。
母は日中は仕事に出ていましたが、学校と母の実家が近かった(と言っても、2kmぐらいは歩いていたように思います)ので学校が終わってからは母の実家にお世話になっていました。
幸い、従兄弟とは年も近く仲がよかったので遊び相手には困りませんでした。
しかし、私は祖父母の毎日の喧嘩がとても苦痛でした。
今思うと祖父母なりのコミュニケーションの取り方だったのですが、感受性が高い私はそういった語気の強い雰囲気にどうしても慣れずにいました。
「早く宿題を終わらせて従兄弟の部屋に行って遊ぼう。」
実家にいた時はずっとこういった思いで過ごしていました。
気が付けば、他人の顔色を窺ったり、怒鳴り声に対して過剰に委縮してしまうようになってしまいました。
これが、後のエピソードにも関わってくるようになります。
社会人4年目、初の人事異動でうつ病に
それでも悩みや不安を乗り越えながら大学まで進学し、私は晴れて社会人となりました。(ちなみに、母は私が小4の頃に再婚しています)
幸運にも第一志望の企業に入ることができ、たくさん失敗しながら仕事をこなし、3年目には部署内のベテラン職員として部署を引っ張れるような存在になることができました。
この3年間の経験で私の自信は培われてきたのですが、翌年の人事異動で思いもよらない事態が発生します。
4年目春、人事異動で未経験の経理部門に配属となりました。
経理部門は上司が非常に明るく気さくで昨年まで非常に雰囲気がよく、社内でも屈指の人気部署でしたので、とても嬉しかったことを覚えております。
しかし、人事異動によりその気さくな上司(いわゆる係長)も代わり、部門未経験の上司が赴任。当部署は部門未経験の上司、同じく未経験の私、そして配属3年目の先輩職員のたった3名で構成されていました。
私は早く仕事に慣れようと日々試行錯誤しながら取り組みましたが、上司からは
「そんな説明じゃわかんないよ。課長にも同じ説明をするの?」
「何がダメかわかってるよね?」
ひたすらこちらを詰めるような言葉、そして静かに怒ったようなトーンと表情が本当に苦痛で、
「あ、自分とは合わないタイプだな」と感じました。
配属3年目の先輩にも助けを求めましたが、
「何を言ってるのか全然わかんない」
「何がしたいの?」
「それマニュアルに書いてあるよね?」等、突き放すような返答の数々に私は常に冷たい目を向けられているような気分になってしまい、誰を頼っていいのかわからなくなり、次第に仕事を抱え込むようになりました。
そして異動から2か月が経った6月上旬。
明らかに食欲が落ち、文章が頭に入ってこず、何をしても楽しく感じないどころか気分がどんよりと落ち込む日々が続いて、私は藁にも縋る思いで心療内科を受診しに行きました。
結果は「うつ病の傾向にある」とのことで、向精神薬等軽めの薬を処方されました。
翌日、気は進みませんでしたが上司に受診をしたことを伝えました。
その後、課長とも面談し、会社専属のカウンセラーの方を紹介いただきました。
この辺りからようやく私の仕事についても配慮されるようになりましたが、私の自己肯定感はどん底まで落ち込んでしまっており、もはや時すでに遅しの状態だったのです。
翌月、7月の上旬ごろ、朝起きると体が鉛のように重く、寝返りを打つことすら一苦労のような状態になってしまいました。
消え入りそうな声で職場に連絡し、その日は有休を使って、足取りも重い中何とか心療内科へ通いました。
うつ病でした。
すぐに仕事を休むよう診断書を書いていただき、会社に郵送してしばらく休暇を取ることになりました。
職場を離れられて少しほっとした気分も束の間、ここからが本当の地獄だったのです。
遺書を書こうと思ったほどのどん底
家族に病気と休暇のことを相談すると、すぐに実家に戻るように言われました。
実家では毎日母が食事の準備等をしてくれていたので、その点については心配ありませんでした。
しかし、職場から離れても症状は改善せず、むしろ悪化していきました。
朝起きてベッドから起き上がるまでに2~3時間かかることは茶飯事、酷い時には這ってトイレに行くような状態でした。
相変わらず食欲もなく、体はやせ細り、170cmの身長に対して55kg程まで体重が落ちてしまいました。
10月、父方の祖母が亡くなりました。
とてもよくしてくれた祖母だっただけに私の悲しみもひどく、気分はどん底でした。両親は葬儀等のために家を数日空けていたので、その間は実家に私一人でした。
もう消えてしまいたい。
何故祖母が亡くなって私が生きているのか。
何もできない私が生きていても仕方ない。
独りでいるとそういった考えが頭の中を巡り、遺書を書いて知らない土地に行こうとしかけました。
すんでのところで踏みとどまったのですが、今思い返しても何故そのような思考に至ったのか本当に理解できませんでした。
このように認知が歪み、視野が極端に狭くなるのが本当にうつ病の怖いところだと思います。
様々な人たちの力を借りて寛解へ
希死念慮をなんとか乗り越えてからは、処方されていた抗うつ薬が少しずつ効いてきたのか、症状も徐々に改善していきました。
また、家族のサポートも寛解の後押しになったと思っています。
特に母はうつ病にも理解があり、普段の体調も気持ちの面も受け入れてくれていたので強い安心感がありました。
症状が改善してきてからは亀のようなスピードではありますが少しだけ散歩をしたり、食欲も少しずつ戻っていきました。
そして、課長から紹介されたカウンセラーの方との対話も続いていました。
動けない時はメールで、体が動くようになってからは面談をしていました。
対話をしていく中で、自分の人生について一度振り返ったり、価値観の再確認等を自発的にできるようになりました。
主治医の先生は投薬治療メインのため、症状のお話ぐらいしかできませんでしたが、カウンセラーの先生に対しては何でもお話できたように思います。
これはカウンセラーの先生が私を決して否定せず、何でも親身になって聞いてくださったからこそだと思います。
自分に合った抗うつ薬の効果もきっとあると思いますが、私にとって精神的な支えになったのは間違いなくカウンセラーの先生との対話であると自信を持って言えます。
年が明けると症状も大分軽くなり、独り暮らしも問題なくできるくらいになりました。
3月からは職場からの勧めで職場復帰プログラム(セミナー)を受講することになりました。
ここでは認知行動療法やマインドフルネス等、ストレスに対する様々なアプローチの仕方を学んでいきました。
段階を踏んでセミナー開催日が増えていくので、少しずつ日中に活動する習慣も付き、小さな自信に繋がりました。
また、これはセミナーを受講する中で私の中に自然と芽生えた新たな考えですが、
「どんな小さなことでもいいから自分を褒めること。」
「自分にとっての幸せは自分自身が認識し、決めればよい。他人と比べる必要はない。」
セミナーの最後には簡単なプレゼンを行うのですが、私はこのことを心から伝えることができました。
最も懸念していた復帰後の部署ですが、部署自体は同じでした。
しかし、4月に上司も先輩職員も異動となりましたので、また新しいメンバーと仕事をすることになりました。
職場の方には6月から時短勤務として復帰し、私の健康事情についても全員が理解してくださっていたのでほぼストレスなく復帰することができました。
約3か月間の時短勤務を経て、9月に正式に復職することができました。
約1年2か月という期間を経て、うつ病は寛解し、無事社会復帰を果たすことができました。
今、私は会社を退職し、ずっと好きだった音楽の仕事をしながらカウンセラーをしております。
一度きりの人生、やりたいことをやらずに終わっていくのはもったいない!という精神で日々マイペースに過ごしています。
うつ病からの学びと私の想い
自分の気持ちに素直になること。
信頼できる他者に思っていることをしっかり言葉に出して伝えること。
昔から苦手だったことでしたが、うつ病になったことをきっかけにようやくできるようになってきました。(まだまだ苦手な方ではありますが…)
こうやって自分自身を深く見つめ直すきっかけを与えてくれたうつ病には、むしろ少しだけ感謝している自分もいたりします。
それぐらい、自分の人生の中での大事件だったのです。
「うつ病は甘え」
「怠けているだけなんじゃないの?」
等の意見が出るように、世間のうつ病に対する理解はまだまだ深まっていないと思っております。
しかしセミナーでも、外交的でエネルギッシュな方等色々な方がうつ病に苦しんだ過去を持っていました。
私のように苦しんだ方、現在進行形で苦しんでいる方がいらっしゃったら、私がその気持ちに丁寧に寄り添います。
カウンセラーとしては珍しい男性ですが、男性相手だからこそ話しやすいお悩みにも対応いたします。
あなたの人生をあなたらしさあふれる人生にしていくために、私が全力でサポートさせていただきます。
どんなお悩みでも構いません。ぜひ一度お話しに来てくださいね。
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